2013年02月08日

国土強靱化計画に失敗は許されない

ご隠居はんと留はんの「量子力学」珍問答

LOTO6をはじめる前に読む本
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 東北大震災復興はもちろんのこと、笹子トンネルを初めとする最近のインフラの崩壊懸念が深まり、補修、再建の気運が国民の間で高まっている。それに呼応するかのように政府も「国土強靱化政策」を実行しようとしている。喜ばしい限りだ。
 国民は強靱化計画には基本的に賛成なのだが、大きく3つの点で危惧を抱いていると思う。

1.巨額の財政出動(金融緩和)して負債を重ねて大丈夫なのだろうか。
2.財政規律律が緩んで無駄な公共事業が行われるのではないだろうか。
3.景気が浮揚するのと同時に、あるいは、短期に、給料などは上がるのだろうか。

 1に関しては、国民は家計を元に国の財政も考えようとするから、不安を抱くのも無理もないが、家計と国家財政を混同して誤解している。マスコミもそのように誘導して報道する(家計になぞらえて、借金をどうするんだ!と煽る)からなおさらだ。家計と国家財政では似て非なるものだ。何故なら国家には通貨発行権と徴税権があるが、もちろん家計にはそんなものはないからだ。
 家計では負債は借金としか考えられないが、国家財政ではその負債は、例えば、道路という国家の資産なり、防災の資金になり、そして廻り廻って「給料」となって帰って来る。給料が増えれば、税収が増え、政府の負債も軽くなる。
 結局景気が恢復すれば良い循環になるのだ。そうなれば、金融機関は、金利の安い国債を買わなくなるようになり、別の投資先の比率を上げることだろう。国債が買われなくなれば、金利は上昇するだろうが、その時には、国債の発行を控えることで、政府の負債も軽くなり、金利の上昇も抑えられる。
 良いことずくめのようだが、今までの話は、「国債は必ず買って貰える」ということが大前提となっている。この点は大丈夫か。
 現在の金融機関には、家計からの1400兆円と企業の内部留保が300兆円があるという。現在政府の負債は、1000兆円であるから、700兆円程度の余裕はありそうだ。もちろん全てが国債を買う訳ではないが、強靱化計画が軌道に乗り、GDPが増えれば、循環はうまくいきそうだ。極めつけは、国債を日銀に直接買って貰うという強引な手もあるが、インフレとの兼ね合いで、操縦はタイトロープを渡るように難しいことだろう。
 結局、強靱化計画の成否に、この国の運命は掛かっていることになる。失敗は許されない。

 2に関しては、政府として毅然とした態度が取れるかによる。自民党は以前これによって強烈な批判を受け、野に下ったのだから同じ轍は踏まないだろう(たぶん…)。慥かに、以前には無用な箱物や、使いたくても使えない空港など、目に余るものがあった。ケインズは、「穴を掘って埋める」という極端な供給吸収でも構わないというが、さすがに無駄な社会資本投資には国民の目も厳しい。たとえ経済的に意味があったとしても国民の通常の感覚とは離れすぎて嫌悪され国民から見放される。強靱化計画に支障を齎さないためには、懇切丁寧に説明し国民を納得させなければならないだろう。

 3は深刻である。物価が急激に上がり、給料が上がらないとなると、国民はどの程度持ちこたえることができるか不安になる。いきなり給料が上がるとは思ってはいないが、急激な高騰は困る。実際、円安になって原油輸入価格が上昇して、高電気代、ガソリン高、灯油高を起こしている。寒冷地区では、灯油は事実上「生命の火」でもあるから、非常に困る。何らかの手当は必要だろう。

 風呂を沸かすときは上の方から熱くなって行く。しかも風呂全体が暖かくなるにはそれなりの時間が掛かる。やはり熱源を幾つか用意して同時多発的に暖める必要があるだろう。でないと風呂に入るまでに風邪を引いてしまう。物理学では熱拡散方程式があるが、こういった経済状況の動きをシミュレートする方程式が計量経済学にはあるのだろうか。もしあるなら、政府に進言して頂きたいものだ(但し、衒学的ななんちゃって方程式では絶対ダメだが…)。

 何度も言うが、今回の国土強靱化計画の失敗は許されないのだ。
posted by Serendipity at 02:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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