2013年01月06日

TPPなど愚の骨頂〜その2〜

ご隠居はんと留はんの「量子力学」珍問答

LOTO6をはじめる前に読む本
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 南米では、政府と麻薬カルテルが「戦争」をしている。国の中の犯罪組織が国と対峙しているという常識的には考えられない事態である。しかもカルテルには、重機関銃はおろかロケットランチャーのような軍隊並みの兵器があるというのだから驚く。国の中に制御できない組織があるということの恐ろしさの象徴だろう。まさに内戦と変わらないのだから。
 この前振りから何を言いたいかというとTPPのことなのだ。TPPによって原則関税が撤廃されるのであれば、こういった「国の中に制御できない」企業が誕生するだろう。もちろん銃弾が飛び交うような物騒な話ではないが、事態はより深刻になるのではないか。
 国には、国民が定職について安定的な生活をしてもらう、という大きな課題がある。国民の生活が不安定であれば国自体が不安定になるから失業率を下げることは喫緊の課題だ。
 そこで既存の企業を安定させ、新たな企業を育成させるという政策が必要になり、企業に対する優遇税、起業家に対する支援などあらゆる策を講じている。それもこれも企業を優遇することによって就職の機会を増やそうという考えからだ。
 だがTPPに参加し関税撤廃、規制緩和など、企業がグローバル的に自由に動けるようになると国の思惑通りには行かなくなる。
 まず、企業自体はそもそも利益を追求することが目的である(社会貢献を目的にしている会社もあるにはあるが多数ではないし、そうであっても利益を得られなければ企業自体が成立しない)。TPPによって企業が国に縛られることなく自由に活動が出来れば、企業によって最適な場所を探すであろう。いきおい企業は国に対して更なる減税と有利な条件を突きつけてくることにもなる。「こうして頂けなければ、海外に移転せざるを得ない」とかなんとか言って。企業はあらゆる要素を検討して利益と安定の最大化を図ろうとするものである。
 例えば、事実上日本の船でありながら、船籍をパナマなど税金の安いところに移すということは現時点でも常識だ。税金を払ってそれなりのメリットがあれば別だが、税金だけとってなんの見返りがないのであれば当然の結果であろう。小さな事例かもしれないが、企業はこういうところには敏感である。
 だとすると、企業が賃金の高い日本を見限って他国へ逃れることを加速しかねない。事実、TPPとは関係ないが、安い賃金と莫大な消費国になると思えたChinaに生産拠点を移した企業も多くある(実際には賃金は急速に上がり、消費大国どころか年々個人消費が減少し、後悔している企業が多くあるようだが)。
 なんでもかんでも自由にしようというTPPの考え方では、国の思惑とは逆の現象が起きるのではないか。
 逆もあり得る。
 人や物が自由に行き来すれば、安い賃金を厭わない労働者も増えるだろう。果たして良い事なのか。多くの議論が噴出してはいるが、筆者は賛成できない。本来日本の労働者が得られるべき職を奪われるからだ。また、違う文化を持つ者同士では必ず諍いが起こり、社会のバランスを欠くようになる。彼らは職を求めて来るのであって、別に日本であろうと他国であろうと稼げればどこでも良いのだ。日本は単なる職を得る手段であってそれ以上ではない。こう言うと差別論者みたいに思われるかもしれないが、そうではない。
 人は民族を越えられない。大きくても国までだ。地球市民などといっても単なるお題目に過ぎず、ましてや世界政府などあり得ない(国連でさえあの混乱だ。一目瞭然だろう)。ルワンダのフツ族とツチ族の関係など良い例だ。言語を一にし、農耕か放牧か程度の違いで、平常時は何の問題もなく付き合っていた彼らでさえ、いざ事あれば、血で血を洗う惨事と発展してしまうのである。ましてや全く違う文化背景を持った通しであればなおさらであろう。
 ある国と友好国であり、お互いが協力し合っていても、国同士が融合して一つの国になることは考え難い。国同士が独立しているからこそうまく付き合えるのである。国があるからこそ、それぞれの文化を維持しながら他国と付き合うことが出来るのだ。
 TPPは社会に混乱を与える。グローバル企業には有利かもしれないが、国以上の力を私企業に与えることにもなりかねない。事実、ファンドなどは小国が栄えようが滅びようがそんなことに関心はない。ただ利益の追求のみであり、機会があれば、窮状に付け込んで国の息の根を止めたりする。もちろん潰れはしないが日本でもハゲタカ外資が暗躍し多くの損失を被ったことを多くの方は記憶しているだろう。これが正体なのだ。
 TPPによって、域内の経済は完全に再編されてしまう。「それぞれが得意な分野で頑張れば良いではないか」などと幻想を振りまく輩は多いが、その結果ある国で輸出できるものは、どう頑張っても国の経済を支えられない程度の一次産業くらいしか残らなくなってしまうことも考えられる。何とか付加価値を付けようと芽吹いた加工産業なども、簡単に潰されてしまう。一次産業とて、種苗を押さえられてしまえば、それすら永久的に購入しなければならない。優秀な作物でなければ、他国と対抗することさえできないからだ。
 これは新しい植民地化政策といっても過言ではないだろう。

 TPPなど必要ない。もう既に自由に貿易は出来るのだ。国の事情によって制限はあるだろうが、それは甘んじて受け入れるべきだ。障碍があれば交渉すればよい。それが外交だろう。関税障壁だろうが非関税障壁だろうが、国を成り立たせるためには必要だ。商売したければ、その国の事情に合わせよ、それだけのことである。
posted by Serendipity at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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