2013年02月02日

クオリティペーパーって日本にはないのか?

ご隠居はんと留はんの「量子力学」珍問答

LOTO6をはじめる前に読む本
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 もう既に多くの方が、徹底的に批判されているので、筆者がわざわざ駄文を書くこともないのだけど、なるべく多くの人の目にとまることが一番大事なので、敢えて書いておこう。

 問題の記事は、以下の通りである。

『年収431万円で生活費540万円…「アベ家」』http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130130-OYT1T00345.htm?from=main1
「政府の2013年度予算案について、歳入と歳出の単位を1兆円から10万円に置き換え、「アベ家」の家計に例えてみた。地方の大学に通う息子への仕送り(地方交付税など)を減らそうと思っているが、借金は増えるばかりで、台所事情はますます厳しい。

 昇進したアベさんの13年度の年収(税収)は431万円で、前年度より少しだけ増えそうだ。しかし、住宅や自動車ローンなどの返済(国債費)だけで222万円を取られる。息子には家庭教師のアルバイトに精を出してもらうつもりだが、164万円は必要だ。

 高齢になった同居する親の医療費や介護費用など(社会保障費)に291万円かかる。自宅が古くなっているので、地震にも耐えられるように、53万円かけてリフォーム(公共事業費)もしなければならない。高校生の娘の学費(文教・科学振興費)などを含め、仕送り以外の生活費は年間で540万円かかる見通しだ。

 お金は出る一方なので、奥さんのヘソクリ(税外収入)41万円にも手をつけざるを得ない。それでも資産を担保に入れて、455万円の新たな借金(新規国債発行額など)を銀行に頼みにいかなければならない。

 このままでは、積もり積もった借金の残高(国債発行残高)は13年度末には7500万円までに増えてしまいそうだ。会社の業績も今ひとつで、昇進後の給料は増えそうにない。仕送りをもっと減らしたいが、息子は怒るだろうし、悩みは深い……。」(河野越男 2013年1月30日10時05分 読売新聞)

 筆者はこの記事を見てイスから落ちた、というのはネタだが、驚いたのは事実だ。まるで情報の体をなしていないどころか、完全に読者(特に読売新聞の)をミスリードしている。プロパガンダといってもいい。読者に「事実」を例えを使って説明するのはもちろん良い事だ。その手法としてアナロジーはある。しかし、全く違う話をあたかも「事実」であるように語るのは、故意であれば、プロパガンダであり、そうでなければ、「無知」ということになる。
 これを書いた記者は、経済部に所属するというのであるから、まさか「無知」であることは考え難い(残念ながらこの場合が起こるのが日本の危ういところなのだからややこしいが…、まさか「無知」じゃないよね?)

 論理学の世界では、仮定が「偽」であれば、何を述べても「真」になってしまう。よくアメリカのジョーク(何度も出てきて恐縮だが、繰り返しは力なり!ということでご容赦頂きたい)で、「お前が、オバマなら、俺は、ミシェルだ」があるが、この命題は、語っている相手がオバマ大統領でない限り、「真」である。仮定が「偽」だからだ。
 
 つまり、この論説は、「仮定が家庭(家計)」(ちょっとネタ入れて)で、これは国家財政の条件を満たしていないので、何を言っても「真」になり、結局全く意味のない論説になっている、ということだ。
 これだけで論破終了である。

 では、国家財政の条件とは何か。
 ●通貨発行権
 ●徴税権
ということである。つまり、借金をしていても最終的には、「政府の負債」などどうにでもなる(インフレが進む可能性はあるけれど…)。負債は自国通貨だからね。ギリシャのように共通通貨で通貨発行権がない場合とは全く違う。

 「『悩みは深い……。』」と記者が嘆くのであれば、例えば、
1.資金の調達が国債によるなら、その国債はどの程度まで発行すれば、国債の価値が下がって誰も買ってくれなくなるのか?
 (1)現在国債の金利は安い(つまり国債を買いたい人が多い)が、これが上昇する要因は何か?
 (2)CDS(Credit default Swap)の日本国債での値は、76bp(ちなみに米国債で27、ドイツ国債は42程度、フランス国債で88、ポルトガル400)と、アホな格付け会社がランクを下げても低い状態にある。(ちなみに200以上は注意、400以上は危険とされている)これでも日本国債はヤバイのか? 
2.通貨量をどの程度増やせば、インフレが問題になるのか?
3.財政破綻ということが、果たして起こるのであろうか?
というような前向きな問題提起をするなら、「ほほ〜、さすが経済部!」と言えそう(本当はそうでもないのだけど^^;)だが、最初からミスを犯しているから、箸にも棒にもかからない論述になってしまったのだ。

 これが、クオリティペーパーと呼ばれる「読売新聞」のしかも経済部の論説なのか?
 読売新聞も「お前は既に死んでいる」か。
posted by Serendipity at 02:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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